【6月10日 AFP】国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しているロシア人宇宙飛行士2人が9日、地上にいるチェスのグランドマスター、セルゲイ・カヤキン(Sergey Karjakin)氏との対局に挑み、引き分けに終わった。

 宇宙飛行士のアナトリー・イワニシン(Anatoly Ivanishin)氏とイワン・ワグナー(Ivan Vagner)氏は無重力状態の中、電子チェス盤を使ってカヤキン氏と対局を繰り広げた。現在30歳のカヤキン氏は、グランドマスター獲得の最年少記録を保持している。

 生中継された約15分間の対局は、引き分けに終わった。

 この対局イベントは、1970年6月9日に初めて宇宙と地球をつないだチェスの対局が行われてから50年を迎えたことを記念したもので、ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモス(Roscosmos)とロシア・チェス連盟(Chess Federation of Russia)が企画した。

 イワニシン氏は「グランドマスターに負けなかったことは大きな名誉だ」と述べ、ワグナー氏はISSに滞在している米国人宇宙飛行士らが観戦しながらアドバイスをしてくれたと明かした。

 ロシアの首都モスクワの宇宙飛行士記念博物館(Museum of Cosmonautics)で対局に挑んだカヤキン氏は、前日の夜は午前4時まで眠ることができず、対局中は神経質になっていたと述べた。「良い対局だった」とコメントし、「人間の脳は宇宙でもしっかり機能すると言える。今日それを確認した」と語った。

 映像はROSCOSMOS TVが9日撮影・提供。(c)AFP