■GDP成長率の落ち込みと失業率の上昇

 スウェーデンは現在、今年は1年を通じて経済が縮小し失業率が上昇するなど、欧州の大部分の国と同じ道をたどると予測されている。

 スウェーデン政府は4月、2020年の国内総生産(GDP)成長率は前年比4%減との見通しを示した。1月の予測では1.1%増だった。

 欧州委員会(European Commission)の予測では、スウェーデン経済は前年比6.1%減(ドイツは6.5%減、ユーロ圏は7.7%減)となっているが、スウェーデン中央銀行は最大10%減との見通しを示している。また、失業率は2019年の6.8%に対し、2020年と2021年は9%の見通しだ。2021年の経済成長率は3.5%と見込んでいる。

■輸出頼りの経済

 スウェーデン経済の急減速は、輸出がGDPの約50%を占めるという貿易依存度の高さによるものだと説明できる。スウェーデン政府は「わが国の輸出製品の7割は欧州連合(EU)向けで、ドイツや英国などの封鎖措置が、スウェーデンの貿易に多大な影響を及ぼしたとみられる」としている。

 3月には、自動車大手ボルボ(Volvo)やトラック大手スカニア(Scania)など同国の大企業の一部が国内での生産を停止した。これは封鎖措置によるものではなく、欧州を含む世界全体のサプライチェーンに問題が生じたためで、現在では再開している。

 一方、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)の経済学者4人が実施した調査によると、スウェーデンの消費は3月11日から4月5日までに24.8%減少した。

 このうちの一人であるニールス・ヨハネセン(Niels Johannesen)氏は、スウェーデン紙ヘルシンボリ・ダーグブラット(Helsingborgs Dagblad)に対し「スウェーデンは新型ウイルスのパンデミックで(デンマークと)同じ代償を支払った。つまり、急速に危機が進む時はレストランが開いているかどうかにかかわらず、消費者は非常用ブレーキをかけるということだ」と語った。(c)AFP/Helene DAUSCHY