【6月10日 AFP】新型コロナウイルスの影響で中断されていたボクシングが9日、米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランドホテル・アンド・カジノ(MGM Grand Hotel and Casino)で再開され、メインイベントとなったスーパーフェザー級ノンタイトルマッチ10回戦では、シャクール・スティーブンソン(Shakur Stevenson、米国)がフェリックス・カラバロ(Felix Caraballo、プエルトリコ)に6回TKO勝ちした。

 WBO世界フェザー級の無敗王者である22歳のスティーブンソンは1回にダウンを奪うと、完全に試合を支配。強烈な左ボディーをたたき込んで6回1分31秒でダウンを奪い、自身の成績を14勝(8KO)0敗に伸ばした。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)を理由に、観客の入場が認められなかったこの一戦について、スティーブンソンは「いつもと違った雰囲気」と振り返った。

「減量もジムでのトレーニングも違っていた。誰とも一緒にいられなかった」

「試合中も観客がいなくて別物だった。相手に良い一撃を食らわせても、『ウー』とか『アー』とかいった声は聞こえてこないだろう」

 黒人選手のスティーブンソンは、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」と書かれたTシャツを着用して試合後のインタビューに臨んだ。

「自分の仲間はいま抗議活動をしている。コミュニティーではいろんなことが起きていて、正しいことのために立ち上がろうとしている人も多くいる」「試合が迫っており、コロナに感染するリスクを負いたくなかったので、外出も仲間との抗議活動もあまりできなかった」

「もう試合は終わったから、外に出て抗議するつもり。マスクと手袋をして出かけ、仲間を助ける」 (c)AFP