【6月10日 AFP】米上院は9日、空軍参謀総長にチャールズ・ブラウン(Charles Brown)太平洋空軍司令官(57)を充てる人事を賛成98、反対0の全会一致で承認した。

 六つの軍種の制服組トップにアフリカ系米国人が就任するのは初めてで、米統合参謀本部入りしたアフリカ米国人としても、1989~1993年に統合参謀本部議長を務めたコリン・パウエル(Colin Powell)氏以来2人目。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、「米国にとって歴史的な日だ! 愛国者で、素晴らしいリーダーでもあるブラウン空軍大将といっそう親しく仕事できることをとても楽しみにしている!」とツイッター(Twitter)に投稿。承認を歓迎した。

 米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、アフリカ系のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官に首を膝で押さえつけられ死亡した事件をめぐり、全米で人種差別と黒人の不当な扱いに対する抗議デモが続く中での承認となった。

 ブラウン氏は先週、他の黒人指導者とともに米社会に根付く人種差別に声を上げ、アフリカ系米国人として成長し、米軍内で出世する中で直面した障害について語った。部隊や大部屋にアフリカ系米国人が自分一人ということもしばしばあったという。

 テキサス州出身のブラウン氏は、自身の空軍参謀総長指名が他の人々に希望をもたらすかもしれないと期待する一方、「私がわが国の何世紀にもわたる人種差別を解決することはできない」とも述べていた。(c)AFP