【6月9日 AFP】ロシア・シベリア(Siberia)で火力発電所から大量の軽油が川に流出し、非常事態宣言を招いた事故について、当局は8日、汚染拡大阻止のためにフェンスが設置された後も、高濃度汚染が確認されたと発表した。

 インタファクス(Interfax)通信によると、クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)地方の環境副大臣が「浮遊堰(ぜき)を越えたところに、軽油による高濃度汚染を確認した」と明かした。

 堰の設置場所を越えてすでに汚染が広がっており、フェンスは「効果がなかった」か、設置が遅過ぎたかのいずれかだと述べたという。

 同副大臣は、地元の環境保護専門家らが、許容値の80~116倍の高濃度汚染を検知したとしている。

 事故は、同地方のノリリスク(Norilsk)郊外で発生。先月末に燃料タンクが倒壊し、軽油2万1000トンが流出して、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が3日に非常事態を宣言した。

 川の広範囲が汚染され、大規模な除染作業が行われていた。非常事態省は5日、汚染の拡大は「阻止した」と発表していた。

 当局は永久凍土の融解が原因であるとし、検事総長は不安定な土地に建てられた建造物の点検を命じている。(c)AFP