【6月13日 CNS】中国・社会科学院法学研究所と社会科学文献出版社は8日、共同で「法治青書」を発表した。同「青書」にはインターネットと電話を利用した「電信詐欺(ネット詐欺)」の頻発が顕著で、巨大な財産損失と社会的脅威がもたらされ、法律執行部門と司法機関は絶えず取り締まりを強化していることが示されている。この他、裁判所で審議した刑事事件の中では、酒酔い運転を主とする危険運転罪が2019年上半期に最も多くなり、初めて窃盗罪を上回った。

「青書」によると、2019年上半期において、中国で発生した刑事事件は前年同期比で6%減少し、その内8種の重大暴力事件は11.1%減、銃を使用した事件は44%減となった。長年にわたり、中国の殺人事件発生率は10万人あたり1件を下回っており、社会安定の重要な要因となっている。

 一方、2019年の伝統的犯罪はインターネットへと日増しに移行しており、ネット犯罪が頻発するすう勢となり、国の安全と社会秩序と国民の権利を脅かしている。

 全体的なデータを見ると、2019年の1月~6月に中国の公安機関で摘発したネット詐欺事件は5万8000件、前年同期比3.0%増だった。逮捕したネット詐欺の容疑者は5万1400人で、前年同期比32.28%増となった。

 この他、裁判所が受理した事件から分析すると、酒酔い運転を主とする「危険運転罪」が上半期に審議した刑事事件の中で最多となり、初めて窃盗事件の数を上回った。公共の安全を脅かす危険運転行為が依然として増加しており、その件数の多さにより、より具体的で総合的な取り締まり強化が求められるとしている。

「青書」は2020年の中国の犯罪情勢を分析し、全体としては抑制可能で良い方向に向かうとしながら、一方では、経済秩序を破壊する犯罪は一定量増加し、ネット詐欺の発生率は引き続き増加するとみている。公共の安全を脅かす犯罪も頻発する情勢にあり、危険運転罪も引き続き刑事事件の中に占める比率は増加すると分析している。(c)CNS/JCM/AFPBB News