【6月9日 AFP】世界銀行(World Bank)は8日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は世界経済に「迅速かつ大規模な衝撃」をもたらし、景気後退に陥る地域の範囲は1870年以降で最大となるとの見方を示した。

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 世界銀行は最新の世界経済見通しで、今年の世界経済の縮小幅は5.2%と80年ぶりの規模となる一方で、景気後退に陥る国の数は過去150年で最多を記録すると予想。各国・地域の国内総生産(GDP)については、中国が1%の微増となるものの、米国は6.1%減、ユーロ圏は9.1%減、日本は6.1%減、ブラジルは8%減、メキシコは7.5%減、インドは3.2%減との見通しを示した。

 世銀の公正な成長・金融・組織(EFI)副総裁のセイラ・パザルバシオグル(Ceyla Pazarbasioglu)氏は記者団に対し、「これは非常に憂慮すべき見通しだ。この危機は長期にわたり続く傷痕を残し、世界に大きな難題をもたらすとみられる」と指摘。今後極度の貧困に陥る人数の見通しを、これまでの6000万人から7000万~1億人に上方修正したと表明した。(c)AFP/Heather SCOTT