【6月8日 AFP】世界的に絶大な人気を誇る韓国のヒップホップボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」と事務所が、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」の運動に対し100万ドル(約1億1000万円)を寄付したことを受け、同グループのファンたちが24時間以内に同じ金額を集めて寄付をしたことが分かった。寄付を企画したファングループが8日、明らかにした。

 BTSの所属事務所「ビッグヒットエンターテインメント(Big Hit Entertainment)」は先週末、米警察官が拘束下にある非武装の黒人男性の首を膝で押さえつけ死亡させた事件に端を発し、米国および世界各国で続く反人種差別運動に対し、事務所とBTSは合同で100万ドルを寄付したと発表した。

 現在、世界で最も人気のあるグループの一つであるBTSは先週、ツイッター(Twitter)に「われわれは人種差別に立ち向かう。われわれは暴力を糾弾する」と投稿。このツイートはその後、約100万回リツイートされている。

 さらに事務所の発表から間もなく、ツイッターで「#MatchAMillion(100万ドルと同額を)」というハッシュタグが現れ、世界のトレンドに躍り出て、有志のファングループ「One in an Army」がこの運動のためにオンラインの寄付プロジェクトを立ち上げた。

 8日朝、同グループは3万5000人近くから100万ドル余りの寄付が寄せられたと発表。同グループはツイッターに、「BTSと同じように100万ドル寄付することができました」と投稿。寄付金は「警察の暴力行為に抗議して逮捕された人々の保釈」や黒人主導の権利擁護団体など複数の団体の支援に使われるという。

 同グループのウェブサイトによると、企画者は主に欧州や北米出身で、韓国人は含まれていないという。

 7人組のBTSは、米国と英国のヒットチャートで初めて1位を獲得したKポップグループ。米ロサンゼルス、仏パリそして英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)でコンサートを開催し、満員御礼となった。

 ある黒人のBTSファンは「私はロンドン出身だ。私の母は生まれてからずっと人種差別を受けてきた」とつづり、「私の大好きなグループが私たちを支援し支持してくれると母に言えることを本当に誇りに思う」と記した。(c)AFP