【6月9日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)済南市(Jinan)長清区(Changqing)の文化財保護管理センターはこのほど、同区で制作年が記された大型石刻画を発見したと明らかにした。933年前の北宋時代のものだという。複数の彫刻技法が用いられており、同時代の石刻画芸術や服飾などを研究する上で重要な価値を持つ。

 同センターの韓特(Han Te)主任によると、石刻画は崮雲湖(こうんこ)街道陸家荘の石秀山南麓にある。陸家荘を訪れた文化財保護関係者が、村民に聞いた話を手掛かりに発見した。山中深くに隠れていたため、これまでの調査でも見つからなかったという。

 石刻画は西向きで高さ2・75メートル、幅2・35メートル。道教の道士2人が描かれていた。彫刻は陰刻中心だが、人物の目や鼻、鬢毛(びんもう)は「鉄線陽刻」と呼ばれる手法が用いられ、平静かつ深遠な表情を浮きだたせている。

 2人の人物画の間には「嵓川酔仙神」の文字が縦に刻まれ、南側には「大宋元祐二年十月初三日、斉州章丘県の住人劉洞玄が記す…」の題字が見つかった。他にも題字があったが、すり減っていて文字の判読はできなかった。

 韓氏は「大宋元祐二年十月初三日」の題字について「石刻画が933年前の1087年に制作されたことを示している。制作年代が明確に分かる大型石刻画はとても珍しい。文化財としても史料としても価値は高い」と述べた。

 同センターは同石刻画を既に保護対象に組み入れており、今後は周辺に建築遺跡などがないか全面的な調査を実施する。石刻画の保護も状況に合わせ適切に行うとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News