【6月8日 AFP】米国で拘束されていたイラン人科学者が解放され、8日に帰国した。イラン国営メディアは、これは敵対している米国との拘束者交換であり、政府は今後も継続を希望していると報じている。

 イラン系米国人で米フロリダ州タンパ(Tampa)の医療施設で働いていたマジド・タヘリ(Majid Taheri)氏は、米国内で1年4か月にわたり拘束されていた。

 タヘリ氏は、イラン側が米海軍退役軍人マイケル・ホワイト(Michael White)氏を解放した4日に解放された。ホワイト氏は2018年からイラン国内で拘束されていた。

 首都テヘランのイマム・ホメイニ国際空港(Imam Khomeini International Airport)に到着したタヘリ氏は、ホセイン・ジャベリ・アンサリ(Hossein Jaberi Ansari)副外相の出迎えを受けた。

 イラン学生通信(ISNA)によると、アンサリ氏は「近い将来(外国で拘束されている他のイラン人の)解放があるよう願っている」と述べ、外務省が実現に向け尽力していくという。

 アンサリ氏によると、タヘリ氏の解放は、イランでの米国の利益代表国スイスと調整しながら、外務省による数か月に及ぶ交渉を経て実現したという。

 タヘリ氏は、モハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相に謝意を表した。

 米国で解放された科学者がイランに帰国するのは、3日に到着したサイラス・アスガリ(Cyrus Asgari)氏に続き、この1週間でタヘリ氏が2人目。

 タヘリ氏には、禁止物品をイランに送り、米国の制裁に違反した嫌疑がかけられていた。また裁判所の記録によると同氏は、計27万7344ドル(約3000万円)を少額ずつ現金で銀行に預け、財務報告規則違反で昨年12月に罪を認めていたとされる。(c)AFP/Ahmad Parhizi