【6月8日 AFP】女子テニス、世界ランキング73位のテイラー・タウンゼント(Taylor Townsend、米国)が、ヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams)ら他のすべての米国黒人選手と過去に間違えられたと明かした。

 男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が配信している動画「テニス・ユナイテッド(Tennis United)」で、警察の拘束下で米黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが死亡した事件について語ったタウンゼントは、「みんな黒人を見ると、ヴィーナスかセレーナ(・ウィリアムス<Serena Williams>)もしくはスローン(・スティーブンズ<Sloane Stephens>)だと思い込む」「本当に自分以外の全員になった」と話した。

「コリ・ガウフ(Cori Gauff)だと言い張る人たちともめたこともある。私はコリ・ガウフじゃない。だけど私たちは皆同じに見える。皆同じ体格をしている」

 また、大会会場では警備員に異なる対応の仕方をされ、「私を関係者だと確認するため」にセキュリティーチェックの数が多いと明かした。

「普通は誰にも止められずに通り過ぎることができると思うけど、私が歩いて通ろうとすると、誰かがバッグやIDをチェックしなくてはいけない。私のコーチにも同じようにする」

「これが私たちの現実。こうしたことが常に起こる。毎週のように、米国だろうが海外だろうが関係なく、自分がプレーするすべての大会で」

 さらに、フロイドさんの死を受けて起こっている抗議活動についても言及した24歳のタウンゼントは、「これが起きたのは初めてじゃない」「ただこれまでより大きな出来事で、これだけ大規模に人々の感情が爆発している」と付け加えた。

「これは変わらないし、変わると期待していない。ただ、より安全な環境をつくったり、人々が問題を認識して話したりするようになることを願っている。誰かの立場になって考えられるようにね」 (c)AFP