【6月8日 AFP】米国で白人警官の暴行による黒人男性死亡事件への抗議デモが続く中、欧州でも7日、人種差別に反対するデモが各地で行われた。

 米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で白人警官が膝でアフリカ系のジョージ・フロイド(George Floyd)さんの首を押さえつける様子を捉えた動画は、世界各地で抗議デモを巻き起こしている。各国は現在、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を抑えるため大規模な集会を規制するなどしているが、デモに参加するため多くの人が街頭に繰り出している。

 スペイン・マドリードでは米大使館前に数千人が集まり、フロイドさんが拘束時に発していた「息ができない」という言葉を叫びながら人種差別撤廃を訴えた。

 デモに参加した西アフリカ沖の島国カボベルデ出身のスペイン語翻訳者のレイニーサ・シームド(Leinisa Seemdo)さん(26)は、「人種差別に国境はない」「私が暮らしたすべての国で肌の色を理由とする差別を受けた」と語った。

 イタリア・ローマのポポロ広場(Piazza del Popolo)では、フロイドさんが警官に押さえつけられていた時間とほぼ同じ8分間の黙とうがささげられる間、デモ参加者の多くが膝をつき、拳を上げた。

 黙とうの後、デモ参加者らは「われわれは息ができない」と叫んだ。

 危険を冒して地中海を渡り、イタリアに到着したというセネガル移民のモリケバ・サマテ(Morikeba Samate)さん(32)は、イタリアでの生活ぶりについて「ここは本当に暮らしにくい」と語った。

  映像前半は、英ロンドンにあるウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)英元首相の像の前に
デモ隊が置いたプラカードを蹴るなどしてデモ参加者から非難を浴びた男性と、ロンドンにある米大使館前でのデモ。後半はスペインの首都マドリード、イタリアの首都ローマ、ベルギーの首都ブリュッセルの各地で行われたデモ。7日撮影。(c)AFP/Patrick Rahir with Alexandria Sage in Rome