【6月8日 AFP】米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、アフリカ系のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官に首を膝で押さえつけられ死亡した事件をめぐり、抗議デモが続く米国。ニューヨークでは先週、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と闘う英雄として称賛される医療従事者らがデモに参加し、公衆衛生システムにおける人種差別を非難した。

 マンハッタン(Manhattan)にあるベルビュー病院(Bellevue Hospital)では、医療従事者ら約100人が短時間病院を出て、抗議デモを行った。医療服に身を包み、マスクやフェースシールドなどを着用して、米国の構造的な人種差別に反対した。

「すべての人に医療を」「人種差別が患者を殺す」などと書かれたプラカードを掲げながら、フロイドさんが警官に首を押さえつけられていた時間と同じ8分46秒間、静かにひざまずいた。

 ベルビュー病院の救急医カミニ・ドゥーベイ(Kamini Doobay)さんは、「私たちはすべてのコミュニティーに奉仕し、公衆衛生を守ることを宣誓しました。今起こっている武力の過剰な行使と警察による残虐な行為は、公衆衛生上の緊急事態です」と語った。ドゥーベイさんは、デモの参加を呼び掛けた一人。ニューヨークにあるの六つの病院を巻き込んだ。

 黒人の看護師ビリー・ジーン(Billy Jean)さんは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘っている専門家として、私は人種差別のウイルスとも闘い続けています」と人々に訴えた。

 ニューヨーク市の新型コロナウイルスによる死者数は、約2万1000人。同市の黒人コミュニティーの新型ウイルスによる致死率は白人コミュニティーの2倍に上っている。(c)AFP/Laura BONILLA