【6月8日 AFP】米民主党議員らは7日、警察内の組織的な人種差別と闘う法律制定を進めていくと表明した。黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件に端を発した抗議の動きは、街頭デモから政治分野へと発展し始めている。

 抗議デモは7日も首都ワシントンやニューヨーク、フロリダ州ウィンターパーク(Winter Park)など各地で継続され、非武装のフロイドさんが死亡したことに対する当初の怒りは、警察改革と社会的公正の要求に集中し始めた。

 デモ隊を鎮圧するためにドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が取った厳しい姿勢については、普段は国の指導者を批判したがらない元軍幹部らが非難するという異例の事態も発生した。

 国務長官や統合参謀本部議長を務めた共和党穏健派のコリン・パウエル(Colin Powell)氏も7日、トランプ氏が憲法から「逸脱」していると述べ、同氏が世界における米国の地位を弱めていると非難。11月の大統領選では民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏を支持する意向も表明した。

 連邦議会黒人幹部会(CBC)は、警察の説明責任を強化するための法案を8日に下院に提出すると発表した。

 法案には死亡事案をめぐって警官を訴えることを容易にすることや、フロイドさんの死因となったような首を圧迫する「チョークホールド」を禁止すること、警官の職権乱用を記録する全国的なデータベースを構築することが盛り込まれている。(c)AFP/Brian KNOWLTON