【6月7日 AFP】インドと中国が、両国の国境付近で先月、緊張を高める小競り合いが発生したことを受けて、両国の軍司令官によるハイレベル協議を実施し、「平和的に解決」することで合意した。インド政府が7日、明らかにした。

 核保有国である中印両国の間ではここ数週間、正確には確定していない3500キロにおよぶ国境をめぐって緊張が高まっていた。

 中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)に接する印ラダック(Ladakh)地方を中心としたにらみ合いには、両国の兵士数千人が関わっているという。

 インド外務省は声明で、「両国は、さまざまな二国間協定に従い、国境地域の現状を平和的に解決することで合意した」と発表。

 また、世界最多の人口を抱える二国間の関係にとって、「早期の解決」が「不可欠」であるということで両国の軍司令官が一致したとし、「従って、両者は現状を解決し、国境地域の平和と安定を確保するため、軍事的・外交的関与を継続する」と明らかにした。

 中印国境付近では、両国の兵士らによるにらみ合いや小競り合いがこれまで何度も発生しているが、近年はその頻度が増している。

 5月9日には印北部シッキム(Sikkim)州で、殴り合いや投石を含む衝突が起き、両国の兵士数人が負傷した。(c)AFP