【6月8日 People’s Daily】「新型インフラの整備を促進し、第5世代移動通信システム(5G)の応用を拡大し、新エネルギー自動車を普及させ、新たな需要を喚起し、産業のレベルアップを促す」 今年、中国の政府活動報告に「新型インフラ整備」という概念が初めて盛り込まれた。この概念は「新型都市化建設」と「交通、水利など重大プロジェクト建設」とともに「両新一重」(二つの新型と一つの重大)として、政府による投資拡大の重点になった。

 特殊な年に開催された会議として、「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)がどのような発展路線を描くのか、各方面から関心が寄せられていた。シンガポールの「聯合早報」は今回の「両会」で最も注目されたのは経済の処方箋だと述べていた。新型コロナウイルス感染症の流行後、中国政府がどのように業務、生産を再開させるのか。その答えが「新型インフラ整備」を代表とする「両新一重」だ。「新型インフラ整備」はなぜ、このように重視されたのか。それは、現状に対応するとともに、将来を展望し、デジタル経済発展の基盤を構築するのに必要だからだ。

「新型インフラ整備」はわれわれの生活、社会をどのように変えるのだろうか。「両新一重」が明確な方向を指し示している。5Gの応用の拡大だ。一般の消費者にとって5Gは、通信速度が速くなり、画像がいっそう鮮明になり、ダウンロードの速度も速くなることを意味しているのだろうが、それだけにとどまらない。「新しい接続」の時代が始まるのだ。

 5Gではブロードバンド、低遅延性などにより、人と人、人とモノ、モノとモノの接続に対する制約が打破され、あらゆるものが接続するようになる。5Gは将来のデジタル世界の基幹インフラになる。

 例えば、医療。新型コロナ感染症の流行期、武漢(Wuhan)の雷神山医院と協和医院は5G技術によって患者のコンピューター断層撮影(CT)の画像や治療に関する情報を北京の指揮センターに送った。指揮センターではクラウドを使って専門家を探し、病状を総合的に判断し、患者の治療に協力した。

 医療のほか、ネット接続型自動車や自動運転、インダストリアル・インターネット、スマートホーム、スマートシティーなど、5Gはさまざまに応用される。5Gによって、将来に対するわれわれの想像は果てしなく広がる。(c)People's Daily/AFPBB News