【6月8日 People’s Daily】例年ならこの時期は、卒業を控えた多くの学生が就職説明会に参加したり、筆記試験や面接試験を受けたりしているが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、求職活動がオンラインになっている。

 李翔(Li Xiang)さんは湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の「高等学校」(中国語で大学・専門学校の総称)を今年卒業する。李さんのオンライン求職は2月下旬に始まった。

 まず学校職員からオンライン合同企業説明会が3月6日に開かれるとの連絡があった。学生が説明会に登録し、履歴を書き込むと、各企業の採用情報を閲覧できる。そこで自分の専門や関心のある業種を入力すると、関係のある企業の情報が送られてくる。

 3月9日午後2時半、李さんは武漢の家で、7回目のオンライン面接試験を受けた。李さんは面接官と会社の状況や仕事の内容、将来の計画、専門知識や技能、報酬などについて話をした。

「これまでの求職方式と比べ、オンラインの方が便利。スマートフォンの画面で面接をするので、気楽にできる感じ。求職の過程で大きな困難はなかった」と李さん。

 面接試験から3日ほどたち、李さんは会社の人事部から通知を受け取った。「面接に合格した!」 そこで李さんはオンライン求職の最後の段階に。オンライン契約だ。会社側が招聘(しょうへい)書を送り、李さんは「同意」をクリック。これで李さんのオンライン求職は無事に終了した。

 よい人材を確保しようとする企業はオンライン採用で新方式を試している。人工知能(AI)によるオンライン採用も登場した。面接官は人間ではなくAIロボット。相手の話し方や言葉遣い、表情から評価、分析するという。

 武漢大学(Wuhan University)の就業指導センターの劉文彬(Liu Wenbin)副主任は「オンライン求人は求職者に多くの選択肢を提供する」と述べた。劉副主任によれば、例年、説明会のピーク期には、ある日の午後、あるいは夜に6、7社の企業が校内で説明会を開き、学生が忙しい思いをすることもあった。だが、オンラインなら問題はないという。

 劉副主任は新型コロナの流行で企業はオンライン採用に移行せざるを得なくなったとし、「オンライン面接は将来、一般的なものになるだろう。企業も個人もこの流れに適応しなければならない」と語った。(c)People's Daily/AFPBB News