【6月11日 CNS】最近、ちまたで最もホットな話題は「露店経済」だろう。中国の自動車メーカー五菱汽車(Wuling Motors Holdings)」の「露店用専用車」が注目を浴びている。これを受け、香港証券取引所で「五菱汽車」は連続高騰し、4日の終値は過去1年間で最高を記録した。

 このきっかけは、「五菱専用車」公式アカウントが2日発表した「五菱側面開閉式商品販売車」の文章だった。全国的に「露店経済」が進む中で、露店に使用するにはまさに適した専用車であるため、大いに脚光を浴びた。

「五菱側面開閉式商品販売車」の荷台スペースは5300L収納可能で、燃費は1キロあたりわずか0.4元(約6円)だ。適用シーンは「朝から晩まで」「朝食から夜食まで」と広く、車長も農村の田畑から都市の繁華街まで使える。多くのネットユーザーがこの宣伝に共感を覚えた。

 3日、この車のうわさがネット上で広まると同時に、証券市場でも五菱汽車の株価は急激に上昇し、最大の上昇幅は120%を記録した。同日の終値は0.305香港ドル(約4.3円)、上げ幅53.27%、時価総額9億3800万香港ドル(約132億円)だった。

 翌4日になっても五菱汽車の株価は上昇を続けた。同日の上げ幅63.93%、終値0.50香港ドル(約7円)、過去52週間で最高を記録した。

■ネット通販で1台あたり補助金3000元を打ち出すと注文に拍車

「五菱側面開閉式商品販売車」の販売価格は、公式サイトでは5万6800元(約88万円)となっており、オプションにより変動するとされる。

 五菱汽車がメディアに発表したところによると「この車は5月から販売開始、5月は300台余りを販売。ただ、今は販売会社の電話は鳴りやまず、受注台数は1日だけで、先月の1か月を上回った」という。

 3日の午後8時半になると、あるネット通販プラットフォームが「五菱栄光商品販売車」をオンラインで販売開始し、しかも1台当たり3000元(約4万6300円)分のガソリン券贈呈としたところ、2時間で売り切れてしまい、緊急にさらに200台を追加したほどだった。

 翌4日、五菱汽車に確認すると、この車種はのべ400台生産したが、注文が止まらず、4日時点で受注した台数は合計1000台を超えたとのことだ。

 ネット通販では、この人気にあやかり、「露店専用車」のオンライン特別販売コーナーを設け、第1陣として、6種の商品販売車、500台の販売を開始した。対象は「五菱宏光Plus」「宝駿310」「東風小康C31」などで、いずれも大衆的な価格を設定、荷台は広く、開ければ即店舗となる車だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News