【6月7日 AFP】米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で非武装の黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の手によって死亡したことを受け、人種差別や警察の暴力に抗議するデモが6日、豪シドニーや英ロンドンなど世界各地で行われた。

 新型コロナウイルスが世界中で流行する中、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)措置を無視して大勢の人が通りに繰り出し、ひざまずいたり、太鼓をたたいたりして抗議。各国当局は、国民の怒りに理解を示しつつ、新型ウイルスの危険性に警鐘を鳴らしている。

 それでもオーストラリアでは、「より良い方法を探す」よう呼びかけたスコット・モリソン(Scott Morrison)首相を無視して、数万人が集結。フランスや英国でも、保健当局の警告を無視して大勢の人がデモに参加した。

 英ロンドンの国会議事堂前では、声を上げる数千人もの群衆を前に「組織的な差別をなくす時だ」とメガホンで叫ぶ人が見られた。イングランド北部マンチェスターでも多くの人がデモに参加した。

 ポーランドとブルガリアの首都ワルシャワとソフィアでは、若者による小規模なデモが米大使館前で開かれた。

 独フランクフルトでも、数千人がデモに参加し、「これ以上何人が(犠牲になるのか)?」と書かれたプラカードが掲げられた。ベルギーやオランダの広場でも、数百人規模の抗議行動が行われた。

 イラクなど戦争の傷痕が残る国々でも抗議行動が繰り広げられ、イラクのソーシャルメディア上では、「America Revolts(米国、蜂起する)」や「私たちも息がしたい」という意味のアラビア語のハッシュタグが広まった。(c)AFP/Dmitry ZAKS with AFP bureaus