【6月6日 AFP】オーストラリア各地の主要都市で6日、政府が新型コロナウイルス対策として外出自粛要請を出す中、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に参加するため大勢の人々が路上へ繰り出した。

 当局や保守派リーダーらが、人が大勢集まる抗議デモは新型ウイルスの感染拡大につながると指摘していたにもかかわらず、シドニーやメルボルンなどの都市ではデモを強行。裁判所は健康上の理由に基づきシドニーでの抗議活動を違法と認定したが、デモ行進が始まる数分前に控訴審によって判決が取り消された。

 シドニーでの抗議デモはおおむね平和的に行われたが、「Black Lives Matter」運動に反対した1人が警察に連行された。

 デモ参加者らは、米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で警察に首を膝で押さえつけられて死亡したアフリカ系米国人ジョージ・フロイド(George Floyd)さんの最後の言葉に賛同し、「息ができない」と書かれたプラカードを掲げた。フロイドさんが警察の拘束下で死亡したことにより、人権侵害に反対する抗議デモが世界中で行われている。

 さらに、「場所は違うが同じ話」と書かれたプラカードもあった。

 同じく人種差別の歴史という負の遺産を抱えるオーストラリアでは、多くの人々がこの運動に強く共鳴している。

 主催者団体は、先住民アボリジニの間で受刑者の割合が非常に高いことや、拘束時に死亡する人が多いことに関心が集まるのを願うと述べた。同国ではこの30年間で400人超のアボリジニが、当局に拘束された際に死亡している。(c)AFP/Andrew LEESON