【6月6日 AFP】サッカー中国代表の伝説的選手である郝海東(Haidong Hao、ハオ・ハイドン)氏が同国共産党体制の打倒を呼び掛ける動画が投稿されたことで、母国スポーツ界の歴史から消し去られる窮地に直面している。

 郝氏は中国が唯一出場した2002年のW杯日韓大会(2002 World Cup)で攻撃陣の先鋒(せんぽう)を担うなどし、母国代表の最多得点記録を保持している。しかし、1989年の天安門(Tiananmen)事件から31年となった4日に投稿された動画によって、そのレガシーが抹消され、中国政府の標的にされるかもしれない状況に置かれている。

 中国では禁止されているユーチューブ(YouTube)に投稿された動画で、郝氏は米国に政治亡命した中国の富豪で共産党政権に批判的な郭文貴(Guo Wengui)氏と、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)氏と徒党を組んでいる様子を見せていた。 

 この動画がいつ、どこで作成されたのかは定かではないが、郝氏は以前、ソーシャルメディアに投稿された画像でスペインで生活している様子を紹介していた。かつては中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」も利用しており、750万人ものフォロワーを集めていたが、5日にはアカウントが閉鎖された。

 同氏のアカウントでは、「法律、規則、『微博コミュニティー・コンベンション』の関連規約に違反したとの苦情があったため、このアカウントは現在使用できない」とのメッセージが見られた。

 元バドミントン女子の選手で、世界バドミントン選手権大会(TOTAL BWF World Championships)で優勝し、五輪で銅メダルを獲得した実績を持つ妻の葉釗穎(Zhaoying Ye)氏も、郝氏と同じ状況となっている。

 中国外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は、問題の動画について聞かれると、「このようなばかげた発言や茶番にコメントするつもりは毛頭ない」とコメント。同国メディアは、部分的に葉氏も映っている動画について取り上げていない。(c)AFP