■停戦協議再開へ

 LNAのメスマリ報道官は4日夜の声明で、ハフタル氏側の部隊の転進は国連(UN)の支援を受けてリビア全土での停戦を目指している軍事委員会の活性化を意図したものであり、GNAが停戦を尊重しなければ軍事行動を再開し、軍事委員会での交渉参加を停止すると述べた。

 GNA側とハフタル氏側からそれぞれ5人が参加する軍事委員会の協議は2月に行われた後、中断していた。国連リビア支援団(UNSMIL)は2日、GNAとLNAが3か月の中断を経て停戦協議を再開することで合意したと発表していた。

 GNAを支援しているトルコと、ハフタル氏を支援しているロシアが仲介した1月の停戦は何度も破られていた。

 ハフタル氏はロシアに加え、リビアと国境を接するエジプト、ペルシャ湾岸のアラブ首長国連邦(UAE)から支援されており、その勢力は経済的に極めて重要な油田と石油輸出施設があるリビア東部全域とリビア南部の広大な砂漠にあるオアシス都市の大半を支配下に置いている。

 しかし、ここ数か月はトルコの軍事援助を受けたGNA側部隊に敗れることが続き、首都トリポリとチュニジアとの国境の間にある地中海沿岸の多くの町を奪還されていた。

 4月には国連の専門家らが、ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の傭兵(ようへい)数百人がハフタル氏側に付いて戦闘に従事していると述べていたが、ハフタル氏側が相次いで敗北した先月、GNAはワグネルの戦闘員は首都トリポリの南の戦場から撤退したと明らかにしていた。

 リビアは独裁者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が失脚、殺害された2011年の民衆蜂起以降、対立する政権と多数の武装勢力が権力を得ようと戦いを繰り広げてきた。(c)AFP/Mahmud Turkia with Rim Taher in Tripoli