【6月6日 AFP】世界で最も稼ぐサッカー選手として知られるネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が、明白な個人情報の盗み取り行為により、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で経済的影響を受けた母国ブラジルの低所得者への給付金600レアル(約1万3000円)を支給されることが認められていたと、5日に現地メディアが報じた。

 ブラジルのニュースサイト「UOL」では、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に所属するネイマールが、母国連邦政府が支給する600レアルの申請書に、自分の名前や誕生日、そしてブラジルでのID番号などが使われたと伝えられた。

 今回の緊急援助対策は、新型コロナウイルスを封じ込めるための外出規制で仕事や収入を奪われた清掃スタッフや料理人など、非正規雇用のブラジル人労働者を支援するためのものとなっている。

 当時の世界最高額となる移籍金2億2200万ユーロ(約275億円)でPSGに加入したネイマールは、チームとの契約で今年の推定年俸が9550万ドル(約104億円)となっており、給付金の受給対象者ではない。

 ところがUOLによると、同選手の名前で出された申請書が「当初は認められて支給日が確定した後、受給資格がないことが判明して手続きが凍結され、現在は『調査中』となっている」という。

 ネイマールの広報担当者はAFPの取材に対し、現時点でコメントを出していない。報道ではネイマールが「このような給付金を申請したことはないのは明白であり、誰がそんなことをしたのか分からない」と同選手のスタッフが話したと伝えられた。(c)AFP