【6月6日 AFP】男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は5日、今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)で導入される見通しの厳しい衛生管理規定が「極端」であり、サポートスタッフの人数に設けられた上限について「本当にあり得ない」との認識を示した。

 米国における新型コロナウイルスの大流行の中心地となっているニューヨークで、今年の全米オープンが日程通りに開催されるかどうか疑問が増している中、ジョコビッチは大会主催者の要求が選手にとって厳しい負担になる可能性があると認めた。

 33歳のジョコビッチはセルビアのテレビ局プルヴァTV(Prva TV)と、同国紙ブリッツ(Blic)の電子版で引用されたコメントで、「ついきのう、テニス界の主要団体と電話で話した。話題は今季の続行についてで、その大半が8月下旬に予定されている全米オープンのことだったが、開催できるかどうかは不明だ」とすると、「彼らが伝えてきた規則は、現地で僕らが尊重し、とにかく従わなければならないかなり極端なものだ」と語った。

 2011年と2015年、そして2018年に全米オープンで優勝しているジョコビッチはまた、選手が同行できる人数の上限について「本当にあり得ない」ものだと話しており、「マンハッタン(Manhattan)に行くことはできない。空港のホテルで眠らなければならないし、週2、3回の検査もある」「それに加えて、クラブハウスに1人しか連れて行くことができないなんて、本当にあり得ない」と明かした。

「つまり僕らにはコーチにトレーナー、それから理学療法士が必要なんだ」「彼らの提案はすべてかなり厳格なものだが、経済的な理由やすでに結んでいる契約があることから、主催者が(大会を)開催する(ことを望んでいる)のは理解できる。これからどうなるか見ていく」

 ジョコビッチの発言に先立ち、前日には世界ランク2位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、8月31日に本選が開幕する全米オープンについて同様の距離感を示していた。

 2019年に通算4度目の全米制覇を成し遂げたナダルは、仮に今週同大会が開催されていたら、自分はプレーしていないだろうと語っていた。(c)AFP