【6月5日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州で5日、婚前交渉によりシャリア(イスラム法)に違反したとされる男女に対する公開むち打ち刑が執行され、2人は100回ずつむちで打たれた。新型コロナウイルスへの懸念から、見物人の数は通常より少なかった。

 アチェ州では、イスラム教徒人口が世界最多のインドネシアの中でも唯一シャリアが適用されている。賭博や不倫、飲酒、同性愛者間の性行為などが犯罪とみなされ、刑罰としてむち打ち刑に処される。

 新型ウイルスの感染が拡大する中、大規模な集会は禁止されているにもかかわらず、公開処刑は継続されている。

 同日スマトラ(Sumatra)島の最西端にあるモスク(イスラム礼拝所)のそばで行われた公開処刑で、男女はまず検温を受け、マスクを着用して受刑に臨んだ。

 男性は痛みに耐えられず、処刑は一度中断された。また女性のむち打ちを行っていた執行官は途中で疲れを訴え、別の執行官と交代して行われた。

 当局者は、「この若者2人は100回むち打ちを受けても仕方がない、イスラム法に違反したからだ」と述べた。

 この日の見物人は数十人だった。この公開処刑は人権団体から批判を受けているが、新型ウイルス流行前は何百人もが見物に集まっていた。(c)AFP