【7月19日 AFP】会場にはワイン658本に鑑定家75人、そしてアルコールジェル──5月末、新型コロナウイルスの危機にもめげず、仏ブルゴーニュ(Burgundy)地方で「タストビナージュ(tastevinage、フランス語ではタートビナージュ)」と呼ばれる伝統的なワインの選評会が開催された。

「ブルゴーニュ利き酒騎士団(Chateliers du Tastevin、シャトリエ・ドゥ・タストバン)」と呼ばれる団体が主催した選評会の会場は、ブルゴーニュ地方の古城、クロ・ド・ブージョ(Clos de Vougeot)。感染リスクを抑えるため、鑑定家は1部屋9人ずつに分かれ、広々とした部屋でワインのテイスティングを行った。

 参加した鑑定家の一人、ティエリー・プロ(Thierry Prot)さんは「雰囲気が(いつもと)違います。より集中できます」「フレンドリーさに少し欠けますけど」と語った。プロさんはこれまでタストビナージュには40回参加している。

 ブルゴーニュ利き酒騎士団の代表の一人、アルノー・オルセル(Arnaud Orsel)氏はAFPに対し、「タストビナージュは1950年から行われています」と語った。毎年2回行われ、今年は「3月に開催予定だったが延期を重ねた」という。最終的に、必要な衛生対策をすべて講じた上で開催にこぎ着けた。

 審査では、鑑定家らは1日に658本のワインを3回ずつ試飲する。1人24〜28回、ワイン1本当たり4分の計算だ。スコア20のうち13以上を獲得すると、そのワインにはタストビナージュのラベルが贈られる。通常、この貴重なラベルが許されるのは全体の20%程度だ。(c)AFP