【6月5日 AFP】各国政府は4日、貧困国へのワクチン供与を行っている国際機関「Gaviワクチンアライアンス(Gavi, the Vaccine Alliance)」に対し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で中断されていた予防接種計画支援のため計88億ドル(約9600億円)拠出することを決めた。

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 Gaviへの資金調達のため開催された英国主催のオンライン形式の会議で表明されたもので、今後5年で約3億人の子どもに可能な限り低価格の各種ワクチンを提供するために必要としていた目標額74億ドル(約8100億円)を上回った。会議ではまた、新型ウイルスのワクチンができた場合、すべての人に行きわたるよう世界的に協力すべきだとの声も上がった。

 会議には50か国以上の他、富豪で慈善家のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏ら個人も参加。ゲイツ氏の財団は16億ドル(約1740億円)の拠出を表明した。

 Gaviはまた、COVID-19のワクチンができた場合、その購入と生産拡大、発展途上国への提供を支援する新たな取り組みを開始した。これについても5億6700万ドル(約620億円)の拠出が確定した。

 主催したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は「われわれは、人類が疾病に打ち勝つという、われわれが生きている時代で最大の共通目的を果たすために共に立ち上がる」と述べた。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長はビデオメッセージで、新型ウイルスのワクチンはすべての人が摂取できるようにしなければならないとし、「ワクチンは全世界の公共の利益だと考えられなければならない」と述べた。(c)AFP/Alice RITCHIE, James PHEBY