【6月5日 AFP】米大リーグ選手会(MLBPA)のトニー・クラーク(Tony Clark)専務理事は4日、オーナー陣が求める給与面の譲歩を選手側が「断固拒否」したと明かし、今シーズンの開幕案に大きな影を落とす結果となった。

 オーナー陣は3日、選手会が提案した今季の114試合制を拒否し、ポストシーズンが中止になった場合は給与支払いの延期を求めており、クラーク専務理事の発表はこれに対するものだった。

 報道によれば、オーナー陣は新型コロナウイルスの影響で今季を50試合に短縮する案を検討しているという。

 クラーク専務理事は発表文の中で「MLBからは今週初め、選手会が給与面の譲歩に関して交渉に応じないのであれば、2020年シーズンは大幅に短縮した日程を組むつもりだと告げられた。この譲歩とは、すでに合意されている数十億ドルに及ぶ選手の減給とは別物」と記した。

 双方は縮小して行われるシーズンの形式について前進しておらず、それぞれが妥協を拒んでいるように思われる。

 オーナー陣は、3月の合意によってシーズンの短縮を命じることができるようになり、ファンが試合を観戦できない場合は、選手の減給を義務付けることができるようになったと考えている。これに対し選手会は、試合数に応じた日割りの給与が支払われる権利があると述べている。

 クラーク専務理事は「かみ合わせるのではなく、リーグ側はもし選手会がさらなる減給に合意しない場合、シーズンを短縮すると返答してきた。さらなる譲歩を求めるリーグ側の要求は断固拒否された」と続けた。

 MLBは当初、3月26日の開幕を予定していたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって春季キャンプは同12日に中断されていた。(c)AFP