【6月5日 AFP】インドとオーストラリアは4日、後方支援や海洋協力などを含む協定を締結し、防衛協力を強化することで一致した。両国は共に中国と緊張関係にある。

 インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相とオーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相の会談は、新型コロナウイルスの流行の影響で国際的な移動が制限されていることから、ビデオ会議形式で実施された。両首脳は、戦略的パートナーシップを格上げし、相互後方支援協定を締結した。

 モディ氏は、「インドはオーストラリアとの包括的な関係を一層強化する」とし「これはわれわれ2か国だけではなくインド太平洋地域にとっても必要なことであり、世界にとっても同様だ」と述べた。

 一方、モリソン氏は「このような時には、ぜひとも友好国や信頼できるパートナーと組みたい」と強調した。

 両国は共同声明で、外務・防衛閣僚協議を少なくとも2年ごとに開催すると述べている。

 アナリストらは域内における中国の台頭と米中関係の緊張の高まりを踏まえ、両国はリスクを緩和するために協力強化に至ったと指摘している。

 豪アデレード大学(University of Adelaide)のプルネンドラ・ジェイン(Purnendra Jain)非常勤教授(アジア研究)はAFPに対し、「両首脳が中国という言葉を口にしたとは思わないが、念頭にあったことは確かだ」と述べた。

 さらに、「両首脳は、現代が激動の時代であり、このような激動の時代を乗り切るには協力して事に当たる必要があると理解している。これは、コロナウイルスや自由貿易についてだが、中国への対応についても非常によく当てはまる」と説明した。(c)AFP