【6月5日 AFP】米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で警察に拘束され、首を膝で押さえつけられて死亡した黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)の追悼式が4日に開かれ、大勢が参列した。アフリカ系米国人で人権活動家のアル・シャープトン(Al Sharpton)師(65)は、フロイドさんの死をきっかけに発生した大規模な抗議運動を、米国の「司法制度全体を変える」まで続けると誓った。

 遺族の代理人のベンジャミン・クランプ(Benjamin Crump)氏は参列者に対し、フロイドさんのために正義を求めていくと述べた。フロイドさんは5月25日、白人警官デレク・ショービン(Derek Chauvin)容疑者に首を膝で9分近く押さえつけられ、「息ができない」と訴えた後に亡くなった。

 クランプ氏は、「ジョージ・フロイドを殺したのは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)ではない」とし、「別のパンデミックだ。人種主義と差別のパンデミックだ」と述べた。

 大勢の参列者らは、ショービン容疑者がフロイドさんの首を膝で押さえつけていた時間と同じ8分46秒黙とうした。

 フロイドさんの死をきっかけに、警察によるアフリカ系米国人殺害に対する長年の怒りに火が付き、1968年のマーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師暗殺以来となる市民の暴動が全米各地で相次いだ。

 人種間の平等を求めるデモが国内数十都市や国外でも起きる中、シャープトン師はフロイドさんの死を無駄にしないと誓った。

 シャープトン師は、「ジョージ(・フロイドさん)の名のもとに、私たちが立ち上がり、首から膝をどけてくれと声を上げる時だ」と発言。さらに「あなたは世界を変えた、ジョージ」「私たちは闘い続ける、ジョージ」「司法制度全体を変えるまで闘い続ける」と述べた。

 ミネアポリスのノースセントラル大学(North Central University)で営まれた追悼式には、遺族のほか、ジェシー・ジャクソン(Jesse Jackson)師、ミネソタ州のティム・ワルツ(Tim Walz)知事、同州選出のエーミー・クロブシャー(Amy Klobuchar)上院議員、ミネアポリスのジェイコブ・フレイ(Jacob Frey)市長ら数百人が参列した。

 新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、多くの人はマスクを身に着けて参列した。(c)AFP/Joy Powell with Chris Lefkow in Washington