【6月5日 AFP】東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事は4日、来年に延期となった東京五輪の開会式が簡略化され、観客数も削減になる可能性があるという報道が出る中、主催者側は大会の簡素化を模索していると明かした。

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 小池知事は記者団に対し、史上初となる五輪の延期に伴う費用が増す中、大会側は「合理化や簡素化」を検討していると話した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は3月、全世界で数十万人の死者を出し、国際移動を事実上停止させている新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、東京五輪を延期すると発表した。

 延期になった東京五輪は2021年7月23日に開幕する予定だが、会場から輸送に至るまであらゆる面で莫大(ばくだい)な調整費用がかかる、大会の再編成という前例のない悩みに主催者は直面している。

 大会を簡素化する案には、開会式と閉会式における観客数と参加者数の削減が含まれ得ると国内メディアは伝えている。

 組織委の高谷正哲(Masanori Takaya)スポークスパーソンは詳細には言及せず、話し合いは続いているとだけ明かした。新型コロナウイルス対策については「秋以降」の検討を予定しているとした。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は先月、2021年は東京五輪を開催するための「最後の選択肢」だとコメントし、延期を永久に続けることはできないと強調。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相も、パンデミックが終息しなければ、完全な形で大会を実施することは「難しい」と話している。

 また組織委の森喜朗(Yoshiro Mori)会長は、来年までにパンデミックが制御されなければ、大会は中止を余儀なくされるだろうとコメントしていた。(c)AFP