【6月5日 AFP】米労働省と商務省が4日、それぞれ発表した統計によると、新型コロナウイルスの流行開始後の失業者数は合計4200万人を超え、米の輸出は記録的な落ち込みを見せた。世界最大の経済大国がウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により直面している危機を改めて浮き彫りにした。

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 労働省が4日発表した、5月30日までの1週間の新規失業保険申請件数は187万件だった。前週比では24万9000件の減少となったが、依然として高水準で、新型コロナウイルスの流行以前に記録した高い水準と比べてもその3倍近くとなっている。

 米国では新型ウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑える対策として3月半ば、各地で事業閉鎖が指示された。新規失業保険申請件数が前週に比べ減少したことは、レイオフの動きが鈍化しつつあることを示している。

 商務省が発表した4月の貿易統計によれば、新型コロナウイルスの影響により世界各地で事業が閉鎖され輸送が中断したことを受けて、輸出入はいずれも記録的な落ち込みを示し、貿易赤字は前月比で70億ドル(約7600億円)超増え495億ドル(約5兆4000億円)となった。

 モノ・サービスの輸出は前月比20%・390億ドル(約4兆3000億円)減の1513億ドル(約16兆5000億円)となり、過去10年で最も低い水準を記録。輸入は前月比13.7%・320億ドル(約3兆5000億円)減の2007億ドル(約22兆円)で、減少幅は輸出に比べると緩やかだった。(c)AFP/Chris Stein and Heather Scott