【6月6日 CNS】中国・商務部流通産業促進センターが3日に発表した調査報告によると、感染症の影響を受け、中国の農産品輸出は失速し、肉類の輸入は加速している。

 同報告書によると、感染症の発生当初は、経済活動の停滞や輸入国側の制限などの要素が重なり、農産品の輸出は減少、果物、野菜、水産品などへの影響が大だった。その後、感染症の世界的まん延に伴い、国際市場は全体的に縮小し、中国の欧州連合(EU)、米国などに対する農産品の輸出は顕著な減少となった。一方で、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)間の自由貿易協定の発効に伴い、中国からASEAN向けの農産品の輸出は増加している。

 同報告書によると、1月~3月期における中国の肉類輸入は217万4000トン、前年同期比85.6%増だった。その内、輸入豚肉95万1000トン、1.7倍、輸入牛肉51万3000トン、64.9%増となった。米中間の第一段階経済貿易協定が実行されるに従い、大豆、豚肉などの米国からの輸入は増加・加速している。

 感染症対策の中で、中国民衆の農産品消費の習慣はやや変化が見られる。報告書によると、ウイルスに対する予防意識が強まるにつれ、消費者は農産品の安全と品質を重視するようになり、価格は決定的要素ではなくなり、衛生的で清潔で新鮮であることが第一の要素となっているという。

 販売経路を見ると、生鮮品のネット通販と団地内野菜店の販売が激増している。統計によると、生鮮品ネット通販の1日あたりのアクティブユーザー数は、春節(Lunar New Year、旧正月)前は800万ユーザーにも満たなかったのが、春節後には1200万ユーザーを突破した。生鮮品のネット通販方式による販売は全体の33.1%を占め、17.6ポイント増加した。中年から青年の比較的若い人たちがネット通販の主力で、21歳~40歳のユーザー者が66.6%を占めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News