【6月4日 AFP】国連(UN)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官は3日、米国内の「構造的な人種差別」を非難した。また、黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件に端を発した抗議デモを取材する記者らが「前例のない攻撃」を受けていることに懸念を示した。

 バチェレ氏は、米国が前進するためには、多数都市で起きている抗議デモの中心にある怒りに耳を傾け、対処する必要があると述べ、「非武装のアフリカ系米国人殺害の根絶を求める声を聞く必要がある」と主張した。

「警察の暴力行為の根絶を求める声も聞く必要がある。そして、米社会を破壊するひどくまん延した構造的な人種差別の根絶を求める声を聞く必要がある」と続け、「とりわけ危機の中では、国は指導者に人種差別をはっきりと非難してもらう必要がある。そして指導者は、人々の我慢の限界を招いたものについて熟考し、耳を傾けて学び、不平等に真に取り組む必要がある」と指摘した。

 バチェレ氏はまた、記者証がはっきり見えるにもかかわらず、記者ら少なくとも200人が抗議デモの取材中に暴力を受けたり逮捕されたりしているとの報告に懸念を示し、「ジャーナリストへの前例のない攻撃が行われている」と述べた。(c)AFP/Nina LARSON