【6月4日 AFP】イエメンのジャーナリストで、AFPと契約していたナビル・ハサン・カティ(Nabil Hasan al-Quaety)さん(34)が2日、同国南部アデン(Aden)で銃撃され、死亡した。政府は捜査を要求している。

 写真と動画のカメラマンで、同域の他の大手報道機関からの委託も受けていたカティさんは、アデンの自宅を車で出た直後に、身元不明の襲撃者らに銃で撃たれた。

 治安当局筋はAFPに対し、武装集団は逃走したと明かした。

 情報省高官はAFPに対し、「ジャーナリストのナビル・カティさんが、組織的かつ計画的な暗殺の標的となったのは、イエメンの報道機関に対する攻撃であり、紛争の全当事者らの失態と過失に当たる」「カティさんの取材内容が、一部の過激派の怒りを買ったとみられる」と述べた。

 ナビル・ハサン(Nabil Hasan)という名前でも寄稿していたカティさんは、2015年にAFPと契約。結婚して3人の子どもに恵まれ、4人目が生まれようとしていた。

 AFPのフィル・シェトウィンド(Phil Chetwynd)編集長は、「脅迫や威嚇をものともせず取材に臨んだ勇気あるジャーナリストの理不尽な死に、衝撃を受けている」と述べ、「ナビルは過去5年間のAFPとの取材で、イエメン内戦の恐怖の全容を世界の人々に伝えようと尽力してきた。その業績は広く認められていた」と、カティさんをたたえた。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が公開する世界各国の報道自由度ランキングによると、イエメンは180か国中、最下位に近い167位とされている。(c)AFP