【6月7日 CNS】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の野生馬繁殖研究センターは、野生馬の繁殖率を高めるため、繁殖研究の専門チームを編成した。世界で唯一現存する野生馬モウコノウマの繁殖拡大を目指す。

 モウコノウマはユーラシア大陸の草原に広く生息していたが、現在は世界で2000頭余りだけに減少。国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定され、中国でも国家一級重点保護野生動物とされている。

 野生馬繁殖研究センターの馬新平(Ma Xinping)主任は「34年前にセンターを設立して以来、種馬の保護や繁殖に努め、馬によって半野生状態の飼育や、完全に野生に戻す形を取り、モウコノウマの保護は大きな成功を収めた」と話した。種の保全や個体群の保護といった目標は達したため、今後は優れた種馬を育てるため、繁殖研究センターを「繁殖基地」に転換していくという。飼育・繁殖の対象は60〜70頭規模にする。

 野馬繁殖研究センターは1985年以降、欧米から24頭の野生馬を導入し、6世代にわたり700頭以上の繁殖に成功している。2001年からは新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地(Junggar Basin)の自然保護区で16回にわたり、110頭を野生に戻した。現在、種馬は440頭に達し、そのうち92頭は飼育、240頭は野生、108頭は半野生状態に分かれている。野生回帰の取り組みは成功を収めており、中国の野生動物保護のモデルになっていると同時に、生態系保護の分野で中国の国際的影響力を高めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News