【6月3日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林に暮らす先住民族ヤノマミ(Yanomami)は2日、部族内での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、先住民区域から違法な金採掘者を追い出すようジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領政権に求めた。

 ヤノマミのこれまでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者は3人だが、人口2万7000人のヤノマミが広く新型ウイルスにさらされた場合、数千人が死亡するとの懸念が高まっている。

 ヤノマミの権利擁護団体「フトゥカラ協会(Hutukara Association)」のリーダー、ダリオ・コペナワ(Dario Kopenawa)氏は、「採掘者はヤノマミ先住民族の土地に侵入し、新型コロナウイルスを持ち込んでいる」と訴えた。

「これはヤノマミにとって非常に深刻な状況だ。先住民族ではない人々にわれわれの状況を憂慮してもらいたいとの思いで訴えている。新型ウイルスで多くのヤノマミが殺されるかもしれない」

 ブラジルの先住民族協会によると、これまでに76の部族で新型ウイルスの感染が確認されており、感染者は計1747人、死者は計167人に上っている。

 先住民らの権利保護団体「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」やブラジルの先住民権利団体「社会環境研究所(ISA)」などは、2万もの違法者が、約9万6000平方キロにおよぶアマゾン地域のヤノマミの土地で採掘を行っていると推定している。

 ISAのアントニオ・オビエド(Antonio Oviedo)研究員によると、ミナスジェライス大学(UFMG)の最近の調査の結果、採掘が行われている区域付近に住むヤノマミの40%が、新型ウイルスに感染する恐れがあること分かった。(c)AFP