携帯電話のカメラ、人種差別暴く武器に 性急な「裁き」のリスクも
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■きっかけとなったロドニー・キング事件
2月にはジョージア州で、アフリカ系米国人のアマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さんが近所をジョギング中に白人の住民2人によって銃殺された。
この様子を携帯電話で撮影していた3人目の男も後にアーベリーさん殺害をめぐり訴追されたが、その動画が先月ソーシャルメディアに流出し、大きな怒りを引き起こした。
このような暴力行為の動画の撮影は今に始まったことではない。
1991年にロサンゼルスで黒人男性のロドニー・キング(Rodney King)さんが警察官に殴打される様子をアマチュアカメラマンが撮影して以来、米全土で人種差別行為を記録した動画が頻繁に撮影されている。
■警察官のボディーカメラ、期待ほどの効果なし
警察官が勤務中にボディーカメラを着用して使用することが過去10年間で増えたことから、アフリカ系米国人に対する実力行使が減るとの期待が高まっていた。
だが米調査グループ「アーバン・インスティテュート(Urban Institute)」のダニエル・ローレンス(Daniel Lawrence)研究員によると、初期の調査では有望な結果が示されたが、その後のより詳細な報告の結果、「ボディーカメラは期待された実力行使の減少をもたらしてはいない」ことが明らかになった。
多くの警察隊は、望むときにはカメラのスイッチを切ってもよいと警察官らに許可している。また、一部の警察官は公開前に動画を編集したことで非難を受けている。