【6月3日 AFP】米ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は2日、同日未明も略奪が収まらなかったことを受けて、前日発動した夜間外出禁止令を7日まで延長すると発表した。

 米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で先週、黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件をめぐり、全米各地で大規模なデモが起きる中、ニューヨーク市では暴徒化した参加者による暴行や略奪に対する措置として1日、夜間外出禁止令が発動された。時間帯は当初午後11時から午前5時だったが、2日未明もマンハッタン(Manhattan)各地で高級店の略奪が収まらなかったとして、午後8時からに開始が前倒しされる。

 一方、デブラシオ市長は、他州がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の要請で行った州兵の動員は必要ないとしている。

 ニューヨークのミッドタウン(Midtown)では2日早朝、窓を板でふさいだ店や、割れたガラスがそこかしこで見られた。百貨店のメーシーズ(Macy's)や5番街の高級ブランド店マイケル・コース(Michael Kors)、スポーツブランドのナイキ(Nike)や玩具メーカー・レゴ(Lego)のショップ、家電量販店なども略奪を受けた。

 略奪が起きている一帯付近にニューヨークでの自宅があるトランプ大統領は2日、各自治体の首長に対し、ツイッター(Twitter)で2回にわたって「迅速な行動」と州兵の動員を要請した。しかしデブラシオ市長は、ニューヨーク市警3万6000人のみで事態に対処できると述べ、州兵の動員は「賢明ではない」選択だと主張した。

 一方、ニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は略奪が収まっていないことから、ニューヨーク市警とデブラシオ市長は「自分たちの仕事をしていない」と批判し、要請があれば州兵の出動はいつでも可能だと述べた。クオモ州知事はデモ隊の暴徒化は「恥」であり「許しがたい」と語った。(c)AFP