【6月2日 AFP】(更新)中国・武漢(Wuhan)で先週、新型コロナウイルスについて最初に告発した李文亮(Li Wenliang)医師と同じ病院に勤める医師が2日、同ウイルス感染症により死亡していたことが分かった。国営メディアが同日、報じた。同国での新型ウイルスによる死者は、数週間ぶりとなる。

 中国中央テレビ(CCTV)によると、武漢市中心医院(Wuhan Central Hospital)の泌尿器科で勤務していた胡衛鋒(Hu Weifeng)医師は、同ウイルス感染症とその関連症状で4か月以上治療を受けた後に死亡した。

 胡氏は、昨年末に武漢で最初に発生した新型コロナウイルスの流行で亡くなった、同医院の6人目の医師となった。

 武漢市中心医院は現時点で、胡医師の死について公式の発表をしていない。同病院は2月上旬、職員68人が新型ウイルスに感染していると明かしていた。

 胡医師の容体については同国メディアが以前、肝臓へのダメージのため肌が浅黒くなった写真を報じたことがあったため、国民的な心配事となっていた。

 中国では2月半ばのピーク時から、新規感染者数が劇的に減少しており、同国はおおむね新型ウイルスの流行を抑制できたかにみえる。

 同国では、2月に李医師が死亡したことを受け、国中で悲しみと政府に対する怒りの声が上がっていた。

 34歳の眼科医だった李医師は最期の日々についてソーシャルメディア上でつづっていた。

 李医師は、昨年12月下旬に新型ウイルスについて同僚らに警鐘を鳴らしたところ、当局から訓戒処分を受けた。

 中国政府はその後、李医師を国に殉じた「烈士」と認定。だが、同医師の死によって上がった異議や批判の多くは封殺された。(c)AFP