【6月2日 AFP】女子プロレスラーの木村花(Hana Kimura)さんがインターネット上で誹謗(ひぼう)中傷された後に亡くなったことを受けて、アジア最大の総合格闘技団体「ワン・チャンピオンシップ(ONE Championship)」の女子アトム級王者であるアンジェラ・リー(Angela Lee)が、「発言する前にもう一度よく考えて」とSNSユーザーに訴えた。

 動画配信大手ネットフリックス(Netflix)などで放送されていた、人気リアリティー番組「テラスハウス(Terrace House)」に出演中だった22歳の木村さんが、先月に自殺したとみられる問題を受けて、日本ではネット中傷への対策強化を求める声が上がっている。

 韓国とシンガポールにルーツを持つ23歳のリーは、木村さんの助けになってあげられればよかったと心境を明かし、「常に世間の目にさらされるのは、誰にとってもかなりの重圧になる」「そこに人々からの非難や批判、さらに無分別で悪意あるコメントが加われば、誰もが極限状態に追い込まれてしまう」と自身のインスタグラム(Instagram)につづると、辛辣(しんらつ)な言葉は命を「壊す」可能性があり、すべての人々が慎重に考えてからインターネットに投稿する必要があると訴えた。

「会ったこともない人に関して、なぜ人々がネガティブな内容を拡散したり、不幸を願ったりする必要があると思うのか理解できない」「あなたの言葉は誰かを元気づけたり癒やしたりできるけれど、相手を打ちのめしたり壊したりすることにもつながる。お願いだから、発言する前にもう一度よく考えて。そうすれば、誰かの命が救えるかもしれない」

 木村さんが最後にインスタグラムに投稿したのは自身と猫の写真で、そこには「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね」というメッセージが添えられていた。(c)AFP