【6月2日 AFP】米ツイッター(Twitter)は1日、首都ワシントンで行われた黒人男性死亡事件に対する抗議デモの最中にデマや誤解を招く情報が多数投稿されたとして、該当するハッシュタグ「#dcblackout」を予防措置的に調査していると明らかにした。

 ツイッターは自社の「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」に基づき、「数百のスパムアカウントを停止した」と発表。また同社広報は「この事件をめぐる公衆の会話を混乱させるあらゆる連携行為に対し、予防措置を講じている」と述べた。

 このハッシュタグを使ったアカウントの多くが、ワシントンで1日午前1時から6時にかけて通信途絶が起きたとツイートしていた。しかし、ワシントン警察は「これはデマと思われる。携帯電話の不通については確認できていない」と述べた。

 現地で抗議デモを取材していたAFP記者も、午前1時30分の時点でワイヤレス接続に問題はなかったと述べている。

 またワシントン記念塔(Washington Monument)付近で大きな火が上がっている画像をシェアしたツイートもあったが、逆画像検索を行ったところ、この画像はワシントンを舞台にしたテレビドラマ「サバイバー:宿命の大統領(Designated Survivor)」から取ったものだったことが明らかになった。

 米シンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)で人工知能(AI)と政策を専門とする研究員、アレックス・エングラー(Alex Engler)氏によると、このハッシュタグの下でシェアされた虚偽や誤解を招く内容のリツイートは約3万件に上るという。さらにそうしたツイートのスクリーンショットが、フェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instagram)でも拡散された。

 エングラー氏によると誤情報を広めたがる人々は、ミネアポリス(Minneapolis)での黒人男性の死に対する抗議行動を背景とする怒りに同調させることで拡散しやすい感情的なコンテンツの作成方法を熟知しているという。(c)AFP