【6月2日 AFP】米国で黒人男性が警官に膝で首を押さえつけられて死亡した事件に対する抗議行動が全米に拡大し、暴力沙汰や略奪が日常的に起きる中、ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は5月31日、午後11時から午前5時までの外出禁止令を宣言した。

 デブラシオ市長は、「われわれは平和的な抗議を支持する」と述べ、同州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事と協議した結果、他の多くの大都市にならって発令を決定したと明かした。

 市長と州知事は共同声明の中で「暴力と物的損害を防ぐため」、特に夜通し店舗の破壊や略奪が発生したロウアーマンハッタン(Lower Manhattan)を含む商業地区を中心に配備する警察官の数を倍増すると述べた。

 さらにデブラシオ氏は、「この瞬間のメッセージが暴力で損なわれることは許されない。これは非常に重要な事柄であり、聞かなければならないメッセージだ」とも述べた。

 この発表の直後、クオモ州知事はニュース専門局MSNBCに対し、ニューヨークがパンデミック(世界的な大流行)の一大中心地となった新型コロナウイルスが、数千人単位の大規模なデモによって拡散する可能性に懸念を表明。自らも「抗議する人々とそのメッセージを支持する」と述べつつ、「ニューヨーク市で続いている暴力と略奪は、市、州、そして国全体の抗議運動にとって有害であり、大義を損ない、大義から注意をそらすものだ」と批判した。(c)AFP