【6月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の世界王者で、メルセデスAMG(Mercedes AMG)に所属するルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton、35)が、「白人が支配する」F1界の「大スターたち」に対して人種差別に関して声を上げていないと批判したことを受け、大勢のライバルから即座に賛同の言葉が寄せられた。

 米ミネソタ州で非武装の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察の拘束下で死亡した事件を受けて、ハミルトンは同じF1ドライバーたちが「沈黙を守っている」ことを批判し、「私は皆さんが誰であるか知っている」と警告した。

 映像に収められたこの事件は複数の都市で混乱を引き起こし、米プロバスケットボール(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏や女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)らからも非難が殺到している。

 ハミルトンの発言については、所属チームのメルセデスも支持を表明し、「ルイス、われわれは君と一緒だ」「寛容はこのチームの基本原則だ」とインスタグラム(Instagram)に投稿。他のF1ドライバーも同選手のメッセージに言及したり、フロイドさんの事件について声を上げたりするなどの反応を示した。

 モナコ出身でフェラーリ(Ferrari)に所属するシャルル・ルクレール(Charles Leclerc、22)は、「正直なところ、ソーシャルメディアで自分の意見を共有することには、違和感や気まずさを感じていた」とすると、「そして、自分は完全に間違っていた」とツイートした。

 ルクレールの投稿にはウィリアムズ(Williams)の英国人ドライバー、ジョージ・ラッセル(George Russell、22)も反応し、「僕たちは皆、何が正しいのか訴える声を持っている。それなのに、こういう状況において今までその使い方を知らなかった。シャルル・ルクレールの言葉と同じく、こうした非道について、自分の考えを公に共有することには違和感があった」とつづった。

 英国出身でタイにルーツを持つレッドブル(Red Bull)のアレクサンダー・アルボン(Alexander Albon、24)もまた、声を上げることに居心地の悪さを感じていたといい、「ジョージ・フロイドさんの死に関して言及するのは、かなりためらっていたというのが本音だ。自分はかなり恵まれて育ち、人種差別から守られていた」「間違いを直し、そのことについて発言するのは決して遅くない。これは正義であり、人種的平等のために立ち上がるんだ」と書き込んだ。

 スタードライバーに対するハミルトンの訴えには、同じ英国出身でマクラーレン(McLaren)に所属するランド・ノリス(Lando Norris、20)も共感した様子で、「僕にはファンやフォロワーがいる」「自分にはこれ(SNS)を通じて先頭に立ち、大勢の人々に刺激を与える力がある。だけど、正しいことのために立ち上がることもできる」と発信した。

 さらに、イラン系カナダ人でウィリアムズのマシンを駆るニコラス・ラフィティ(Nicholas Latifi、24)は、「#JusticeForGeorgeFloyd(ジョージ・フロイドのために正義を)」と「#BlackLivesMatter(黒人の命は大切)」のハッシュタグをつけて、「こんなことはやめなければ」と投稿した。

 一方、共に30歳のベテランであるオーストラリア出身のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)とメキシコ人ドライバーのセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)は、ハミルトンの発言には言及せずにメッセージを発信した。

 ルノー(Renault)に所属するリカルドは、「ジョージ・フロイドさんの事件と、今日まで社会で続いている出来事は不名誉なことだ」と主張。レーシングポイント(Racing Point)のペレスは、非暴力を訴える米国人保安官の動画を#BlackLivesMatterのハッシュタグ付きで投稿した。

 マクラーレンのスペイン人ドライバーのカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.、25)と、アルファロメオ(Alfa Romeo Racing)に所属するイタリア人ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィ(Antonio Giovinazzi、26)も、それぞれ人種差別について糾弾した。(c)AFP