【6月2日 AFP】(更新、写真追加)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は1日、米北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が、拘束時に警官に膝で首を押さえつけられて死亡した事件に端を発する抗議デモで、参加者の一部が略奪や破壊行為に及んでいることを受けて、首都ワシントンに「重武装の」兵士ら多数を配備すると発表した。

 トランプ氏は、「首都ワシントンで昨夜起きたことは、全くもって不名誉なことだ」「暴動や略奪、破壊行為、暴行、財産に対する理不尽な破壊行為を阻止するため、すぐにでも重武装の兵士と警察官を大勢派遣する」と述べた。さらに、トランプ氏は略奪や暴動を「国内テロ」と非難した。

 演説後、トランプ氏がホワイトハウス(White House)近くのセントジョンズ(St Johns)教会で写真を撮るために、ホワイトハウス前のデモ隊は解散させられた。セントジョンズ教会は、5月31日の暴動で落書きをされ、一部が損壊していた。

 トランプ氏はセントジョンズ教会の板が打ち付けられた窓の前で、「われわれには偉大な国がある」と述べ、聖書を手に写真撮影に臨んだ。

 この行為はたちまち猛反発を呼んだ。

 ニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事はツイッター(Twitter)に、「きょう大統領がしたことは、米国民に向けての米軍の動員だ」「トランプ氏は教会で写真撮影をするため、米軍を使って平和的なデモ隊を排除した。この大統領にとっては、これもテレビのリアリティー番組にすぎないのだろう」と述べた。(c)AFP