【6月2日 Xinhua News】中国国家統計局が先ごろ発表したデータによると、4月、自動車分野の利益は前年同月比が29・5%増となり、3月の80・4%減から大幅に回復した。中国証券報が伝えた。

 中国汽車工業協会の陳士華(Chen Shihua)秘書長補佐は、4月は自動車企業の生産テンポが速まり、市場に回復が見られた。だが、利益が伸びた主因は、リベンジ需要によるものであって持続性はなく、通年の自動車市場は大きく落ち込む可能性があるとの見方を示した。

 同協会のデータによると、4月、自動車の生産台数は前月比46・6%増、前年同月比2・3%増の210万2千台、販売台数は前月比43・5%増、前年同月比4・4%増の207万台となり、販売台数は22カ月ぶりに増加した。1~4月の累計は、生産台数が前年同期比33・4%減の559万6千台、販売台数が31・1%減の576万1千台だった。

 同協会は、4月の販売台数が22カ月ぶりに増加したが、主に2、3月に抑制された購買力の高まりによるもので、持続力については、5、6月の販売状況をみる必要があるとし、現時点の自動車市場には、消費の原動力が足りないとの認識を示した。さらに、通年の国内市場の販売台数は15~25%減少すると予測した。

 中国では4月、新型コロナへの感染が抑えられ、市場は回復が見られ、工業企業の生産テンポは速まり、企業の利益は微増した一方、1~4月の企業利益は前年同期を下回った。陳氏は、4月に見られた自動車企業の利益の伸びに持続可能性はないと語り、「自動車企業の経営は圧力が大きく、通年の市場は大幅に落ち込むだろう。値下げに踏み切る企業が相次ぎ、今年の利益の減少幅は生産台数の減少幅を上回るだろう」と予測、また、5月の販売台数はやや伸びたが、6月の状況は不明確で、「海外の新型コロナの感染状況は判断が難しく、海外部品サプライチェーンの操業再開状況によっては、部品の供給に問題が生じる可能性がある」と指摘した。(c)Xinhua News/AFPBB News