【6月1日 People’s Daily】中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)と国家外貨管理局はこのほど、適格海外機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)による証券投資の限度額を撤廃すると発表した。これら海外機関投資家による投資収益の送金手続きなども大幅に簡素化された。こうした措置によって海外投資家が中国の金融市場に参加するのが一段と容易になった。

 2003年、海外機関投資家2社が初めてQFIIの資格を獲得し、中国金融市場の新しい窓が開いた。このあと、QFII制度は絶え間ない開放に向かって前進した。QFIIのほかにも、金融市場開放の制度が相次いで生まれた。2014年には上海・香港証券取引所間の相互取引制度「上海・香港ストック・コネクト」が開設され、その2年後には「深圳・香港ストック・コネクト」も始まった。こうした双方に開かれた取引制度により、中国金融市場と国際市場は融合を強め、対外開放のレベルも高まった。

 開放により互いに利益を得、ともに成長する。これが、中国金融市場の開放が進む原動力になっている。QFII制度が始まって10数年が経過したが、この間、強力な生命力を発揮できたのは、開放という世界の流れに順応したためだ。

 開放は海外投資家に投資のチャンスを提供する。QFII制度やRQFII制度が実施されてから、400社以上の海外機関投資家がこれらの制度を利用して中国市場に投資した。今年に入って、新型コロナウイルス感染症が流行した影響で世界の金融市場はおおきく動揺した。だが、中国市場に対する海外機関投資家の信頼感は揺るがなかった。上場企業の第1四半期(1~3月)の報告によれば、この間にQFIIが人民元建て株式(A株)を新たに大量保有した企業は200社以上に達した。

 中国金融業の歴史は、ある意味で開放の歴史だった。今年に入って金融開放措置がとられたのはQFII・RQFII制度だけではない。証券会社への外資出資規制も撤廃された。北京や上海などでも開放措置が講じられた。こうした動向は中国の金融開放がきちんと推進されていることを示している。開放の進捗に伴い、中国金融市場の強靱さが増すと予想される。(c)People's Daily/AFPBB News