【6月2日 People’s Daily】5月13日、河南緑色中原現代農業グループのチェアマンで、政治協商会議全国委員会委員(国会議員相当)の宋豊強(Song Fengqiang)氏は黄河(Yellow River)の生態系の改善についての私案を公開した。その中に、黄河灘区のエコツーリズム産業を黄河の質の高い発展全体計画に組み入れることだ。3期連続で中国全国政治協商会議全国委員会委員を務める宋氏は、13年間黄河沿岸にいろいろな角度から関心を払い続けてきた。

 去年、「黄河流域の生態保護と質の高い発展」は国家戦略となったが、どうすれば発展と生態保護は両立するのか? 宋氏は沿岸地区について思索を重ね、何度も黄河沿岸の農村を調査研究した。

 彼が提案するのは、黄河流域を開発するのに、多くの省庁の連合が編成され、総括的な発展計画が行われ、経済・生態保護の両面で最大限の効果と利益が得られることだ。

「子どもの頃、河原の砂地はアルカリ性の土地でした。冬、12月が来ると、みな土を剥がして生活の足しにしていました」宋氏は語った。砂地の有効な管理や開発ができなければ、生態系は悪化するばかりになってしまう。ここ数年、宋氏は中国各地の沿岸・沿海地域で調査研究を重ねた。砂地の生態系が良く保存されていれば、余暇の観光産業が盛んで、市民に余暇の場所を提供するだけでなく、地元の経済に新たな活力を注入することもできる。

 現在、黄河沿岸の砂地で、宋氏はすでに数万ムーの牧草を植え、荒れ地を緑化し、4か所は国家4A級の景勝地に指定されている。それだけでなく、河南省(Henan)滎陽市(Xingyang)には5000ムー(約3平方キロメートル)あまりの桜園を造営し、80種余りの桜を育て、桜を中心に関連産業にも手を広げ、地方経済を発展させ人々に富をもたらした。

 コロナ禍の影響で旅行業界は大打撃を受けたが、宋氏にはもう一つの案があり、国に支援政策を提案し、観光業の発展を促進するという。「これは私の責任です。より多くの観光業者のためでもあります」

 邙山(Mangshan)は河南省鄭州(Zhengzhou)西北の道をふさぐ山であり、長期にわたって樹木の伐採が続いた結果、はげ山と成り果てていた。宋氏は十数年かけて1億元(約15億円)強を投資し、邙山の緑化に取り組んだ。

 人からの評価にこだわらず、宋氏は淡々としている。彼には信念があるからだ。「私は農民企業家であるだけでなく、政治協商会議全国委員会の委員でもあります。責任があるのです」(c)People's Daily/AFPBB News