【6月1日 AFP】フランスの首都パリで5月20日、西洋絵画の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の100万ユーロ(約1億2000万円)相当の作品が当たるチャリティーくじの抽せんが行われ、イタリア人女性のクラウディア・ボルゴーニョ(Claudia Borgogno)さんが当せんした。

 抽せんはパリにある英競売大手クリスティーズ(Christie's)の会場で行われた。

 景品のピカソ作品は、アブサン(薬草系のリキュール)が入ったグラスと新聞を題材にした1921年作の油絵「Nature Morte(静物画)」。作品は本人直筆の署名と日付入りで、100万ユーロ相当の価値がある。

 仏チャリティー団体「エデ・レゾートル(Aider les Autres)」主催のプロジェクト「1 Picasso for 100 euros(ピカソ1作品を100ユーロで)」は、さまざまな人道プロジェクトのための募金を目的としており、ピカソ作品が景品となるのは今回で2度目。

 今年のくじの収益は、貧困支援団体「CARE」が実施するモロッコとカメルーン、マダガスカルの村で20万人に水を届ける水道整備プロジェクトへ寄付される。

 ウェブサイト上で販売された1枚100ユーロ(約1万2000円)のくじは、世界100か国以上で5万1000人超が購入。当初の目標額2000万ユーロ(約24億円)よりはるかに下回ったものの、510万ユーロ(約6億円)が集まった。購入者の出身国は、フランス、米国、スイスが最も多かった。
 
 CAREで広報を担当するエマヌエラ・クローチェ(Emanuela Croce)氏はAFPに対し、「2000万ユーロという目標額は非常に高かった。かなり困難な期間で複雑な道のりだったが、500万ユーロ以上が集まったことで優れた結果を残すことができた」と語った。

 またクローチェ氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、人々が「水が健康に不可欠である」ことを認識したとコメント。抽せんは3月に行われる予定だったが、コロナ流行により延期されていた。

 くじの収益のうち、作品の所有者で個人収集家の富豪、デービッド・ナーマド(David Nahmad)氏に90万ユーロ(約1億円)が支払われ、残りの420万ユーロ(約5億円)がCAREのプロジェクトに充てられる。

 映像は当せんしたボルゴーニョさんと息子のロレンツォ・ナーゾ(Lorenzo Naso)さん、5月28日撮影。(c)AFP