【6月1日 AFP】(更新、写真追加)米首都ワシントンのホワイトハウス(White House)近くで5月31日、警察の過剰な力の行使によって非武装の黒人男性が死亡したことへの抗議デモが再び行われ、夜になってデモ隊の一部と警察が衝突して催涙弾が発射された。これに先立ち、ミュリエル・バウザー(Muriel Bowser)市長が同日午後11時~翌6月1日午前6時(日本時間6月1日正午~午後7時)の外出禁止令を発令し、州兵の動員を発表していた。

 ホワイトハウス前には機動隊が列をつくり、近くの公園に結集したデモ隊と対峙(たいじ)していたが、現場のAFP記者によると、夜になって警察とデモ隊の間で小競り合いが発生。警察が催涙弾や催涙スプレー、閃光(せんこう)発音筒を用いてデモ隊を解散させようと試みている。デモ隊の中には付近で火をたいたり、建物に落書きをしたりしていた者たちがいた。

 ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官に膝で首を押さえつけられて死亡した事件に対する抗議行動は、全米に拡大し、6夜目に突入。各地でデモ隊と警察との小競り合いや、暴徒による店舗の略奪が起きている。ニューヨークやマイアミでも大規模なデモが発生。発端の事件が起きたミネアポリスのほか、ロサンゼルスやヒューストン(Houston)にも夜間外出禁止令が出ている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は29日夜、ホワイトハウス前で数百人のデモ隊が抗議していた際、大統領警護隊(シークレットサービス、USSS)の判断でホワイトハウス地下にある大統領危機管理センターに退避していたという。(c)AFP/Agnes BUN